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 例文番号の付け直し Renumber (Wordマクロ)


概要

 言語学の論文で順序の乱れた例文番号を付け直します。例文を参照する本文中の番号も連動して付け直します。

 ごく普通に入力されたWord文書を処理します。例文番号に特別な印を付けたりする必要はありません。例えば、この論文sample.docを処理すれば、この結果result.docのようになります。雑誌論文程度の分量なら所要時間はコンマ秒単位です。もちろん外国語で書かれた論文も処理することができ、この英語論文sample_e.docを処理すればresult_e.docのようになります。

 番号の付け直しは何度でも繰り返し行うことができます。

 最新バージョンはRenumber です。()
  • 本ソフトウェアは無保証です。自己責任でご使用ください。実際の論文を処理する際はバックアップをお取りください。
  • 作成とメインの動作確認はWindows XP+Word 2003で行っています。Windows Vista/7/8、Word 2007/2010/2013およびMac OS X上のWordでの動作も確認しています。おそらく最新のOS、Wordでも動くと思います。
  • 日本語版以外のWindowsの場合は右上の国旗から選択してください。英語版は大半の言語のWindowsで使えるはずです。
  • 最新版をこのサイトでのみ公開しています。改変・転載・再配布等はご遠慮ください。

試し方

 まずは上のsample.docを使って例文番号の付け直しを実際にお試しください。sample.docをハードディスクなどに保存し、それをWordで開いて次のようにします。(Macではキー割当てが異なります。適宜対処してください。)

1 マクロの登録
 Renumberを初めて使うときは、まず次の手順でWordに登録します。
  1) Wordで[Alt]+[F11](=[Alt]を押し下げた状態で[F11]を押す)によってVisual Basic Editorを起動する。
  2) その左上のほうにある太字の「Normal」を右クリックし、「挿入」→「標準モジュール」を選んでマクロ編集画面を開く。
    (「Normal」の表示がない場合は[Ctrl]+[R]を押せば現れます。)
  3) Renumberの内容をマクロ編集画面にコピー&ペーストする。
  4) [Ctrl]+[S]により保存する。
  5) Visual Basic Editorのウィンドウの右上隅の[×]をクリックして閉じる。

2 マクロの実行──例文番号の付け直し
 sample.docを開いたWordのウィンドウに戻って[Alt]+[F8]とすると登録されているマクロの一覧が表示されるので、「Renumber」を選んで[実行]ボタンを押します。これにより、例文番号が付け直されます。ステータスバーに「処理が終了しました」と表示されたら終了です。sample.docの場合、処理は瞬時に終わります。


用法──使用上の注意など

 論文をRenumberで処理するには、例文番号とその直前の開き丸括弧をいわゆる半角文字で記述します。使用可能な例文番号の範囲は1~999です。番号は、Wordの段落番号機能(自動番号振り機能)によらず、手動で入力します。
  • Wordの段落番号機能は無効にすることができます。サーチエンジンに「Word 段落番号 無効」「Word おせっかい」などのキーワードを与えて検索してみてください。
 論文作成時には次の2点にご注意ください。
  • 例文番号の参照を段落冒頭に置かない
    段落が「(8)は~」のような書き出しで始まっていると、それが例文と見なされて処理後の例文番号の順序が意図通りにならない可能性があります。なるべく「例(8)は~」「次の(8)は~」などのように書くようにしてください。(もっとも、問題が生じる可能性があるのは、「(8)は~」の段落が例文(8)に先行し、かつ、その段落と例文(8)のあいだに別の例文がある場合だけです。例文より後の段落で参照する場合や、段落と当該の例文のあいだに別の例文がない場合は、「(8)は~」のような書き方をしても差し支えありません。)

  • 例文番号として扱わないものの対策
    例文番号の形をしていながら例文の番号でないものが論文中に現れるときは何らかの対処を要します。例えば、寺村秀夫(1979)「ムードの形式と意味(1)─概言的報道の表現─」という論文タイトルに含まれる「(1)」が例文番号に連動して書き換えられては困るので、そのような場合は例えば括弧または数字に全角文字を使うなどするとよいでしょう。あるいは、開き括弧と数字のあいだにスペースを入れそのサイズを1ポイントにする(見かけ上スペースの存在は分からなくなる)といった方法も可能です。「(1979)」のように4桁以上あるものは例文番号と見なされないので論文に含まれていても問題ありません。

 存在しない例文に参照しようとしている場合には、処理後、当該箇所には「(★8)は~」のように星印が加えられます。星印を消去し、番号を訂正したうえで再処理してください。

 同じ例文を2度挙げたり関連の例文を元の例文と同じ番号に英字やプライムを添えて挙げたりすることはよくあるので、例文番号の重複は許容して処理します。意図しない番号の重複を防ぐために、後から例文を追加するときは100番台や900番台といった十分に大きな番号を使うことをお勧めします。


脚注中の例文番号の付け直し

 脚注中の例文番号を本文の例文への参照と見なし、本文に連動して付け直すことができます。この機能を利用するには、マクロ冒頭にある「fn = False」(脚注の場合)または「en = False」(文末脚注(=後注)の場合)を「... = True」に書き換えます。

 ただし、この機能を有効にしたときは、脚注中で本文から独立した例文番号は使えなくなることにご注意ください。本文と連動しない例文番号を使う必要があれば、括弧や数字に全角文字を使う、開き括弧と数字のあいだにスペースを入れる、丸括弧の代わりに角括弧を使うなどの方法によって対処してください。


より便利に使うために

 Renumberを実行するたびに[Alt]+[F8]でマクロの一覧を出してそこから選ぶというのは面倒です。この問題は、Renumber専用のボタンをWordのメニューバーやツールバー上に作ることで解決できます。手順はWordのバージョンによって異なります。

(Word 2003の場合)
 Wordのメニューから「ツール」→「ユーザー設定」を選択して「コマンド」タブを選び、分類欄で「マクロ」を選ぶと右のコマンド欄にマクロの一覧が表示されるのでその中から「Renumber」の名前を含むものを選び、メニューバーかツールバーにドラッグ&ドロップします。これによってその場所にボタンが作られます。ただし、自動的に付く名前は長いので、(「ユーザー設定」が開いている状態で)ボタンを右クリックして名前を「Renumber」にでも変更するとよいでしょう。その後、「ユーザー設定」の「閉じる」をクリックします。

   

 これで、論文を開いた状態でこのボタンをクリックするだけで番号を付け直せるようになります。なお、「ユーザー設定」を開いた状態でボタンを右クリックすることにより、ボタンを文字列からアイコン(+文字列)に変更したり、ボタンを削除したりすることができます。

(Word 2007/2010/2013の場合)
 クイックアクセスツールバー(ウィンドウ上端のバーで小さなアイコンが並んでいる箇所)を右クリックして「クイックアクセスツールバーのカスタマイズ」(Word 2010/2013では「クイックアクセスツールバーのユーザー設定」)を選び、「コマンドの選択」で「マクロ」を選ぶとマクロの一覧が表示されるのでその中から「Renumber」の名前を含むものを選び、「追加」をクリックします。ここで引き続き「変更」をクリックすることにより、アイコンを変更することもできます。最後に「OK」をクリックすれば、クイックアクセスツールバー上にRenumber専用のボタン(アイコン)が追加されます。

   

   


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  文献ソート bsort
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改訂履歴

1.00 MS-DOS版作成(1990/10/3)
1.00 Wordマクロ版作成(2009/3/7)
1.10 機能拡張(2009/3/10)
  未定義の例文番号を具体的に示すようにした。また、例文番号の重複を(付け直し後の番号で)警告するようにした。
1.20 高速化(2010/9/24)
  長大な論文を処理するときの所要時間が従来の5分の1以下に短縮。
1.30 機能拡張(2010/9/30)
  脚注中の例文番号を本文に連動して付け直せるようにした。詳しくは上にある説明を参照。
1.31 小修正(2012/6/2)
  Word 2007で変更履歴記録中の処理に問題が生じる場合があることが判明したので対処。
1.32 小拡張(2012/7/25)
  例文の字下げに空白だけでなくタブも使えるようにした。
1.33 小修正(2012/8/22)
  一部の外国語版Windowsにおける問題を解消。
  • マクロ更新時は、Visual Basic Editorを起動し、古い内容を現在の版で置き換え、[Ctrl]+[S]で保存してからVisual Basic Editorを閉じてください。
  • Window上のWord 2003またはそれ以後のバージョンのWordで正しく処理できない文書があればメールでお送りください(問題点とWindowsやWordのバージョンなどの情報もお知らせください)。可能であればマクロを改訂します。

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